チーズでリヨン

チーズスペシャリスト、かなこさんインタビュー

アルテルナンス(就学しながら働ける制度)を取得し、リヨンのチーズ訓練校に通いながら6区と8区にあるチーズ屋さんでアドバイザーとして働くかなこさん。嗅覚、視覚、五感を使って味わえるチーズの魅力に嵌って以来、チーズ一筋のかなこさんに、チーズへの想いや将来の夢について語っていただきました。

ご両親も料理人の仕事をされているかなこさん。食に対する情熱は遺伝のものもありそうですが、チーズを選んだのは何がきっかけだったんですか ?

両親がもともと色々なものを食べさせてくれ、発酵食品は小さい頃から食べなれていて好きだったんです。
でもチーズを一生やっていこうと思ったのは、一度目のフランス滞在の時。
最初は製菓製パンの学校で学んで、その本場で生活してみたくて渡仏しました。朝の5時からパン屋さんでパンの製造をして、午後はお菓子屋さんで販売の仕事をし、深夜営業のカラオケでバイトして寝ずにお金を貯めて渡仏しました。若い時の情熱と体力があってこそ出来た事ですね。(笑)
とにかくフランスの食生活をする事が目的で、レストランに行く用のワンピースだけはしっかり持ってきました。ワイン畑でアルバイトをしたり、フランス国内で移動しながら色々な物を食べました。そんな中で、一番日常的に食べていたのがバゲットとチーズ。フランス滞在の後半、将来の事を徐々に考えようという時に、自然とチーズが浮かびました。フランスに来てから日常的に食べていたこともありますし、チーズのキャラクターが自分に合っている気がしたんです。
チーズってそのままで食べても美味しいし、お菓子にしても美味しい。とろけるチーズみたいに色んなところに広がっていく可能性をチーズにみたんです。
びびっときたというか、チーズは自分の個性にリンクして、これまで関わってきたパンやお菓子とは違った気持ちがチーズには持てました。

今回が2度目のフランス滞在ということですが、今回はどのような経緯でリヨンに来ることになったんですか?

今回は2014年2月からリヨンに滞在しています。一度目のフランス滞在でずっとチーズやっていこうと決めて、日本に戻ってからは、大阪のチーズの輸入商社に10年くらい勤めていましたが、夢中で仕事をしている間に、自分のチーズに関する知識をもっと深めたいという気持ちが強くなってきたんです。製造の部分も学びたいと思うようになって、4年前から準備して再びフランスへ戻ってきました。

輸入商社にいた時も、フランスへ出張で行く機会もあり、とにかく沢山のチーズを食べながら、チーズへの知識を増やしていました。アンテナショップの責任者としてお客様に説明する仕事もしていたので、チーズの食べ方、どんな副菜と合うか、飲み物と合うかなど働きながら勉強しました。仕事をしながらチーズ会という同好会もして仲間と集まったり、チーズプロフェッショナル協会の理事もつとめたり、本当に公私共にチーズ一色の生活でしたね。


チーズの知識は増えたものの、やはり販売という最後の工程にいたので、働きながらわいてくる細かい疑問や謎の答えを見つけられないもどかしさがありました。
輸入したチーズを扱っていると、毎回香りや口どけ、カビのつき方も違ったりするんです。ずっとチーズの仕事をしていく上で、ミルクから製造の部分から勉強して、いい加減なことじゃなくてしっかり自分の目で確かめたいと思うようになったんです。

今はリヨンで製造の勉強をされているんですか ?


今はアルテルナンスというフランスの制度を利用して、チーズの訓練校に通いながら6区のチーズ屋さんでお世話になっています。
アルテルナンスという制度を使えば、お給料も貰いながら仕事と学校の両立が出来ます。
私は製造の勉強がしたくてフランスに来たんですが、知り合いのチーズ熟成士さんに製造を学ぶためにはもっと語学力が必要と言われました。アルテルナンスを勧められたんです。
チーズの訓練校では、マーティングや販売知識も学びますが、製造工程の座学もあります。座学で製造工程を学びつつ、チーズ屋さんで働きながら専門用語も磨けるので良いですね。

リヨンで外国人がアルテルナンスをした前例もなかったので、そこに辿り着くまでにもとても大変でしたが、フランスでは諦めずに粘る事が大切ですね。

外国人が認められるには人並み以上に頑張る必要がありますが、フランスって日本とは違って型にはまっていないというか、ねばればどうにかかなったりすることが多いようにも思います。今では同僚にも認めてもらえるようになってきましたが、もうすぐアルテルナンスの期間は終わりでいよいよ製造を学ぶための受け入れ先を探していくところです。

 

いよいよ念願の製造を学ぶ時期がきてるんですね製造を学んだあとの更なる夢はどんなものですか ?

最終的には独立して、チーズのショップ兼工房をやりたいと思っています。夢の実現場所は、日本でもフランスでもどこでもいいんです。
同じ目標を持ってくれるパートナーが公私共に見つかれば一番いいですね。酪農家の花婿募集中です。()
いつか独立の夢を叶えたら、また自分の子供達も連れてリヨンに戻ってきて、リヨン在住のお子さんたちと楽しいチーズセミナーなんかもやってみたい。夢は広がりますね。

 

生き物からうまれるものづくりにロマンを感じているというかなこさん。
明るい笑顔で目標に向って努力を惜しまない姿が素敵でした。
インタビューをしながら飲んでいたほうじ茶に合うチーズもあるんだとか。
色々なチーズの味や、その組み合わせを試してみたい方は、かなこさんが出張チーズ会もしてくれるそうです。

お店に行ってアドバイスを受けたい方はこちらへ

<お店の紹介>
Fromagerie Tête d’Or
Didier LASSAGNE MOF
フロマージュリーテットドール店
2007年にMOF(最高職人賞)を受賞されたデディエラサーニュ氏の厳選した素晴らしいチーズの数々!その味わいの深さにチーズ熟成士の技にを感じることが出来ます。彼の最高級のチーズを是非お楽しみください。
6: 本店であるテットドール店はマセナの駅からすぐ!アクセスも大変便利です。豊富なラインナップと熟成違いも幅広くご用意しています。プロフェッショナルな販売員も詳しく説明してくれます。お好みのチーズが見つかりますよ。
住所 51 rue tête d’or, 69006
(金・土曜日に勤務)

Fromagerie Lumières
フロマージュリーリュミエール店
8: 二号店であるリュミエール店はアットホームな接客と親身に相談にのってくれます。
チーズ初心者の方も気軽に買うことが出来ます。
住所 99 Avenue des Frères Lumières
(平日 不定期で勤務)

※学校にも同時に通われている為、必ずしも上記に勤務日にいるわけではないそうです。201510月まで。
(情報提供: Kさん 2014/10/22)